火事と新幹線と路線バスとお姉ちゃん

気付いたら、火事。実家にとても似ている家の中で、家族や親類も皆居て右往左往している。お向かいの白い家は既に火だるまで、カーテンのない窓から暗い家の中には誰も居ない事がわかる。

その両隣、うちの両隣、そして母屋にも火の手が回ってくる。家の中の人たちは(うちにはこんなにたくさん親類はいないけど)皆、外に逃げたほうが良いのかこのまま家の中に居たほうが安全なのかを計りかねてるように見える。

母屋から離れへ移動すると、階段の途中に防火用には頼りなさそうなシャッターが何重にも、レールにはまり切れずだらしなく折り重なって降りていて、私はその裾をめくり上げて登っていく。

2階の部屋には家族が数人いて窓の外の様子を伺っていた。辺りは既に火の海で、だけど煙は全く上がっていない。母屋の2階の窓が焼け落ちているのが見えたが、中にいる親類は皆無事なようだ。

そこに居た父親と思しき人物に声をかけようか、と思ったところで場面が変わり、私はどこか遠くの街の駅に居る。出張?で来ていたようで、火事にやきもきしながら自販機で切符を買おうと並んでいた。私の番になって「カード支払い」を選んだところで駅の係員さんがやって来て「無料乗車券」を手渡された。

その切符で改札を抜けホームに降りたら、何かのイベントで来ていたと思われる学生の団体で列車は満員だったため、次の列車に乗り込む。無料乗車券は列車の指定がなく、どれに乗っても良いのだ。

指定席に座り、火事の様子がわからないかとずっと窓の外を眺めていたけど、線路沿いはのどかな風景が続いていた。さほど大きな火事ではないのかしら(でも通り沿いの家が何軒も炎に包まれていたのだから…決してボヤ騒ぎ程度ではないよな)と不審がりつつも列車を降りて、駅を出たら雪が積もって凍りついていた。

これでは家まで歩くのは却って時間がかかるだろうとバス停へ行き、バスに乗る。バスはそこそこ混んでいて、道もなんだか混んでいて、バスはなかなか進まない。家はどうなっているだろう?

隣車線に同じような路線バスが並んだ、と思ったらそのバスには私を付け狙う女性が乗っていて、こちらに向けて火を放とうとしているのが見えた。咄嗟に後ろを向いて彼女に気付かれないように…隣に居た姉が「どうしよう見ちゃったよ目が合っちゃったよ…」と話しかけてくる。

お姉ちゃん、今話しかけないで?彼女に私がここに居ることがバレてしまう…なお私に姉は居ない、居ないがこの人は私のお姉ちゃんだ。少なくともこの夢の中では。

隣のバスの女は、私が居るかどうかを見極めようと、こちらのバスの中を舐め回すようにじっくりと観察している。バスの中は薄暗く、じっと後ろを向いていれば見つからないはずだ…今は気付かずに行ってしまってくれ、どうせここで私が見つからなくても、どのみちその火を私の家に放つんだろ?

…はい、しんぞーバクバク脂汗じっとりで目が覚めました。