バレーの試合のハーフタイムショウ
うちのクラスの女子は、隣のクラスの女子と仲がめちゃくちゃ悪い。事ある毎に小競り合いを繰り返してたある日、何らかの諍いが収まりつかず、クラス対抗でバレーボールの試合をすることになった。
こう言っちゃ何だけど、バレーなんて体育の授業以外ではやったことがない連中ばっかりでルールすらおぼつかない。対する隣のクラスにはバレー部のレビュラーも居て、クラス内でも盛んらしい。…まずい。非常にまずい状態。
それでも何とかメンバーを決め、全員で練習を重ねて。
本番までの間、定期的に「交流会」という名目で『練習試合』がある。…そうすれば学校の設備の使用許可が取りやすいためだ。
初回、当然のことながらうちのクラスはボロ負け。向こうに与えたいだけ優越感を無償贈呈しまくって、言われたい放題の侮辱を頂戴した。それでも練習を重ね、2回目の「交流会」では何とか1セットを…取るまではいかなかったんだけど良い流れを作れて、続けてれば良い勝負ができそうな感触を得られた。引き続き本番までがんばろう、と毎日練習を続ける。みんなどんどんスリ傷なんかが増えていく。
そして何回目かの「交流会」で、遂にうちのクラスも1セット取れた。2セット終わったところで隣のクラスから「今日はハーフタイムショーのリハーサルもしましょうよ」と言われた。ハーフタイムショウ?そんなのあるなんて聞いてない。
「あら、試合するんだから当たり前のことでしょ?」と、向こうのリーダー格の女子は言い放ち、こちらに反論するスキも与えず引き返していった。その直後いかにもって感じの音楽が流れ始め、向こうのコートに目を向けると隊列を組み並び始める隣のクラスの女子たち。体操着のままの彼女たちからクォリティの高い、マスゲームのようなチアリーダーのパフォーマンスのような、元気で勢いのある完成度が高い催し物を見せつけられた。うちのレギュラー陣はコートの中に立ちすくみぽかんとしている。
パフォーマンスが終わるやいなや「さ、次はあなたたちの番よ」と、向こうのリーダー格の女子は息を切らしながらも得意げにこちらに告げた。
そこへ流れるとある曲のイントロ。控えでベンチに居た連中が、いつの間にか下半身に簡単なスカートを身に着けて振り付けを踊りつつ左右からコートへ向かってきて、レギュラー陣の前を塞ぎそれぞれ所定の位置へ。
まず右半分の連中がAメロを歌い踊りながら中央へ集まり、次に左半分の連中がA’メロを歌い踊りながら中央へ集まる。うん、歌も踊りもよく揃ってる。
全員が一斉にしゃがむと、その後ろにはレギュラーのうちの2人が、イントロの間にベンチから来たクラスメイトに渡された色違いのスカートをしっかり身につけて立っていた。彼女たちが歌いながら前に進んでくるのと同時に、しゃがんでいた連中は後ろから徐々に横へ捌けて道を空け、歌っているメンバーを通す。
2人が一番前の中央に来ると、右と左からそれぞれ同じく色違いのスカートを身につけたレギュラーの2人ずつが、振り付きで歌いながら中央へ進み、6人がセンターに集まって。
ここまで進んだところで向こうの様子を伺うと、想定外だと言わんばかりの顔でこちらを凝視していた。
そんなのはおかまいなしに、さぁここからサビだ!…といったところで目が覚めた。
# なお楽曲・振り付けとも、イマドキのグループアイドルちゃんみたいな量産型ポップスなやつでした…
…ところで、その夢の中の曲のA~Bメロまでが今でもある程度しっかり記憶にあって、メロ譜なら書けそうなくらい覚えてる状態なんですが、これは一体…?